反神反義

怠惰な学生が書くブログ。

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僕と雑巾の方程式 2007/01/18-Thu

僕、雑巾の男です。

もし誰かに「あなたの特技は何ですか?」と質問されたらコンマ1秒で「雑巾掛けです」とダンディ風味にサングラスをかけ直しながら返答しちゃうほど、僕は雑巾掛けが得意な男なのです。学校でも僕に雑巾掛けのスピードで勝利を収めることのできる人はおらず、むしろ普通に走るより雑巾掛けで駆けた方が好タイムが叩き出せるかもしれない。それほどに僕は雑巾掛けが得意なのです。また、「雑巾」と検索すると第2検索ワードとして僕の名前が出てくる、というのは嘘ですが、とにかくそれほどまでに僕の雑巾掛けは神クラスなのです。

これまでも数々の伝説を創ってきました。日々トレーニングに明け暮れて鋼の肉体を手に入れた人も、僕には敵わなかった。また少林寺拳法を幼い頃から心得ている人も、僕には敵わなかった。そしてしばらく経つと、僕は『ゾウキング』という称号を与えられ、世間からそう呼ばれるようになった。

僕のその他の能力は他の人より著しく欠如しているのだけれど、唯一雑巾掛けという能力があるために世の中の人間とも辛うじて平等を保って生きてこれたのだと思っています。それを踏まえて色々分析してみると、こういう等式が成り立ちます。

『僕-雑巾掛け=死』

とにかく、僕にとって雑巾掛けというのはその上を行くものがないほどの究極の財産なのです。っていうかもう、僕は雑巾の化身だと言っても決して誇張にはならないと思います。近頃はもう雑巾とも会話できるんじゃねえか、夕日を背に共に語り合ったりできるんじゃねえかと思ってますもん。


いやー、なんかもう、自分のこと褒めすぎて申し訳ないんですけど、その人が一生の特技を得るためにはやはりそのための経緯や練習、努力が必要不可欠だと思います。いくら才能があったとしても、その才能を自分で発見して活かさなければ特技は得られません。さらにその特技が生活に役立ったり、または収入源になったりすることもあるのではないかと思います。ただそれにはやはり本人の努力が欠かせないのです。


それは桜とほんのり温かい太陽の日差しに見守られて進学した、中学1年生の頃でした。ダボダボの学ランを着させられて中学校という教育施設に放り込まれた僕は当時、小学校との環境の劇的な変化に大変な衝撃を受けました。校舎、授業、先生、行事、給食のおばさん、給食のじいさん。その全てが、僕にとっては新鮮で見慣れないもので、期待と不安の混交した思いで生活していたものでした。

清掃という活動もそのうちのひとつで、先生が掃除を指示し手伝っていた中央集権主義の小学生時代とは違い、完全な分散主義の世界でそれぞれの清掃場所で各自が独立して清掃を行っていたわけですが、これがいけなかった。

僕が最初に担当した場所は教室だったのですが、見張りの先生がいないとなれば真面目に掃除をする人などいませんでした。僕は当時それなりの責任感を持った人間でしたので、一人黙々と教室内の清掃をし完了へと導いていました。おかげで周りの人たちがみんな雑談をしながら笑いこけているという中で、僕一人が床に膝をつき雑巾掛けをしているという滑稽すぎる絵が完成してしまった。悲しすぎる。そして虚しすぎる。

まあ清掃場所といっても校舎内だけでなく、グラウンドとか体育館とかもあったんです。特に体育館はモップを引きずって歩くだけで清掃が成立してしまうほど楽チンな清掃場所として名を誇っていました。楽なゆえに、サボる人もいない。楽な上にサボりもいないなんて、それこそ理想の楽園じゃないか。僕は心の中で誓いました。

「次こそは絶対体育館担当になってやる!」

だけど、体育館清掃には誰でもなれるわけではありません。ジャンケンというギャンブルゲームによって当選する人と落選する人が決まるのです。

「じゃあジャンケン極めるしかないっしょ」

極めて簡単で単純な結論を出し、連日ジャンケンに打ち込む日々。一人で鏡に向かってひたすらジャンケン。しかしいつになっても勝つことができない。あいこばっか。一日三時間の猛練習を行っても、全く勝つことができない。というか、無限にあいこが続いて終わることができない。「あいこでしょ、あいこでしょ、しょ、しょ、しょ!」終いにはこんな悪夢を見る始末。

僕「ジャーンケーンポン!」
ジャンケン仙人「だめじゃだめじゃ!全くなっとらんわ!気迫を入れすぎじゃ!そこまで気迫を入れるとフォームの大きさで何を出すか相手にバレバレじゃ!」
「ではもっと静めて落ち着いた感じでやればよいのですね。ジャーンケーンポン」
「ああ、だめじゃだめじゃ!肩が動きすぎじゃ!肩は動かさず、ひじから先のみを動かすのじゃ!」
「分かりました。ジャンケンポン」
「ええい、だめじゃだめじゃ!手首にもっとスナップを利かせるのじゃ!高速で動かし、相手に手を見られないようにするのじゃ!」
「ジャンケンポン」
「うむ、免許皆伝じゃぁ~、免許皆伝じゃぁ~」


そして迎えた清掃場所決定の日。志願するはもちろん体育館。やはり体育館を志望する輩は大量におり、タイムサービスに群がるオバタリアンたちの群れみたいな状態ができていました。楽したいがために集まったゴキブリどもの楽園カーニバル。そして僕もその中に入り、雌雄を決するジャンケンが始まりました。大丈夫大丈夫。夢の中で、ジャンケン仙人にジャンケンの極意を教わったじゃないか。

「ジャーンケーンポン!!」

肩から先は動かさずひじから先を曲げ、手首のスナップを利かせて手を出すと、僕一人がグー、他の人は全員チョキで僕が一抜けすると言う構図になりました。やってやった。僕だってやればできるじゃないか。鏡の前で猛練習した甲斐があったぜ!という感想を抱いていると、突然「体育館のどこにするの?」と訊ねられました。

はてな、体育館のどことはどういうことだ?なんか聞く話によると体育館の中でもフロア、ステージ、卓球場、通路というふうに場所が小分けされているらしく、一番最初に勝った僕にはそれを優先的に選択する権利が与えられたようです。ぶっちゃけ体育館の中を担当できればどこでも良かったので、僕は「どこでもいい」と答えました。しかしこの時勝利に酔いしれ周りが見えなくなっていた僕は、このいい加減な返答が後に待っている悲劇の差し金だとは思いもしませんでした。

「君、ステージよろしくね」

体育館清掃が担当できると決定し浮かれていた僕に、突然驚きの宣告が言い渡された。もう勝利に酔いつぶれて二日酔いみたいな症状を呼び起こしそうな状態だった僕は、ステージという場所の特殊性に気付いていなかった。ステージという場所は体育館の中のほかの場所とは違い、唯一雑巾掛けを要する地帯なのです。まさかステージの上に堂々とモップを持ち込むわけにも行かないし、しかも面積も教室に比べて圧倒的に広いしで清掃する側にとっては全くメリットがありませぬ。むしろ全てがデメリットだ。

その日から新しい清掃場所が反映されることとなったのですが、このステージという場所の清掃の大変さは僕の予想を遥かに超越したものだったのです。

先程述べたように面積が広いのですが、それに加え他の人が教室の時以上に清掃をしてくれない。女子なんてグランドピアノの下に隠れて雑談してるもんだから必然的に全ての仕事が僕にまわってくるという展開になります。本来ならば雑巾掛けの前に箒を掃いてゴミを一掃しておくのですが、この場合はそれもなし。そのまま雑巾を滑らせるものだから雑巾はすぐに汚れて破れ死亡し、次々と死んでゆきました。だだっ広いステージを一人でゴキブリのように這いずり回るというのは、もうある意味芸やお笑いの世界に匹敵していると思います。道端芸だったら、一回の公演で五円は稼ぐことができたと思う。

それに雑巾と共に床を駆け抜ける僕のすぐ近くにはグランドピアノの下でサボっていられる方たちがおりますからね。僕みたいに耐えるということの習慣がついていない人だったら、発狂してグランドピアノでシューベルト作曲の魔王とか弾いてたと思う。

そしてその女子たちが時たまグランドピアノの下からひょいっと顔を出して「おい!ちゃんと掃除しろよ!!」とか意味不明ないじめみたいなこと言うもんですから、僕は衝撃を受けた。身体ぼろぼろ。心は八つ裂き、いや、九つ裂き。でも雑巾掛けは、雑巾掛けだけはやらなければならないのだ!

かくしてこの状況下での体育館ステージ清掃は約半年ほど続き、僕は究極の精神と共に雑巾掛けという新たな財産を手に入れたのでした。

だけど次の清掃担当場所でもやはり雑巾掛け、その次の場所も雑巾掛け、その次も雑巾掛けというふうに僕は雑巾に付きまとわれ、ついに中学校三年間で雑巾掛け以外の清掃はできませんでした。体育館ステージで確立された僕の雑巾掛けにさらに磨きがかかり、とうとう神の域に達するほどの速度とテクニックを手に入れたのでした。別にゾウキングなろうと思ってなったわけじゃないんですよね。


と、長くなってしまいましたが、これが僕が雑巾掛けという特技を完全に自分のものにしたまでの経緯です。今こうやって振り返ってみると、僕がゾウキングになるまでの歴史は泥まみれでした。もともと僕には雑巾掛けの才能なんて無かったのかもしれないのだけど、長い間僕と共に駆けてきた雑巾が築かせてくれた。そういう意味では、あの時グランドピアノの下にいた女子には感謝しています。僕がゾウキングになれたこと。それは僕の一生の誇りです。

ここでは僕の体験を一例として挙げてみたんですけどね、結局何が言いたいかっていうと、僕に限らず人間は必ずしも可能性というものを持っているのだと思うのですよ。クリスマスなんか滅亡するべきだと思っている人もたくさんいると思いますけどね、要はモテる人ってのは自分の可能性をそこに使い切っているというだけのことでね、人間の残された可能性というのは常に平等だと思うのです。

下手にモテまくって女遊びばかりしている人より、むしろ女性に嫌われ人生に絶望を味わって生きている人。そういう人の方が何倍も素敵で格好良いし尊敬に値すると思います。努力なしに栄光を築くより、地で絶望という字を隣において常に頑張ってきた方が、大器に成る。これは間違いないと思います。

僕も現代の人間ですが、最近の人間は苦労を知りません。産まれた時から周りに物が溢れていて、自分の手に入れたいものがすぐに手に入ってしまう。自分の欲求をすぐに満たせてしまう。僕は現代という時代がどれほど狂っているか、雑巾掛けを通して知りました。皆さんも、自分の周りを見渡してほしい。きっと社会の狂いが、大いなる矛盾が見つかると思います。苦労という文字を覆した、世界の矛盾が―。


でね、最終的に何が言いたいかっていうと、掃除機ですよ。うん、掃除機。あれは許せない。何が「ヴィーン」だ。何が「吸引力の変わらないただひとつの掃除機」だ。雑巾掛けなんて、掃除機の全てにおいて完敗じゃないか。掃除機という文明の賜物がある限り、僕の雑巾掛けなんて何の役にも立たないじゃないか。むしろ雑巾掛け、いや雑巾自体の存在理由が問われるじゃないか。


僕の頭の中に、ひとつの等式が浮かび上がってきた。

『僕-雑巾掛け=死』

すみません、この等式なかったことにしてください。
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クリックで救える順位がある→人気Blog Ranking |  2007/01/18-15:40 |  COMMENT(5)
なんだか、いろんなことを考えさせられました。
| 2007/01/18-16:14 | edit
はじめまして!!こずみといいます!!
雑巾掛けが特技って
そんな人はじめて見ましたょ!!
私は雑巾掛け嫌いです
雑巾の臭いが手について不快だし
ずべずべやってるとコケます
うーん珍しい特技っていいですね
ぜひ高校に行っても雑巾掛け続けてくださぃ笑
| 2007/01/18-19:51 | edit
すみません、アド忘れてましたっ
| 2007/01/18-19:57 | edit
さすが雑巾がけのプロ((何
   その特技は一生物です
| 2007/01/19-18:15 | edit
>蒼穹さん
考えてください考えてください。掃除機の存在によって、僕を含む全てのプロ雑巾プレイヤーは肩身の狭い思いをしているのです。蒼穹さんも時々自分の周りの矛盾に気付いたりしませんか?疑問を感じたりしませんか?

>こずみさん
雑巾掛けが特技っていうのは自分でも異色な人だと思いますね。っていうか普通の人だったらそんなこと特技として考えませんからね。頭のどこからそんな考えを引っ張り出せばそんなことが言えるのか自分でも分かりません。それにぶっちゃけ、僕自身も雑巾掛け嫌いです。

>torusuさん
それがですね、一生物というわけにもいかなさそうなんですよ。最近の人たちは清掃にはほとんど掃除機やクイックルワイパーとかを利用するし、家には直線でスピードを出せるほど広い廊下はないし、一人暮らしを始めても雑巾掛けの技術を使う機会は皆無でしょうし。あったとしても高校までですね。
| 2007/01/20-17:12 | edit
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